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【第176回】なぜレゴは世界一、超天才的なおもちゃなのか?

~ レゴと空間認識能力  ~

2000年にトゥルース・アカデミーがレゴとロボットの教室というSTEM教育を始めて間もない頃、ベッドで哲学ファンタジー小説『ソフィーの世界』を読んでいた時、「なぜレゴは世界一、超天才的なおもちゃなのか?」という一文を目にした瞬間にベッドから飛び起きた思い出があります。

古代ギリシャの自然哲学者デモクリトスの原子論を紹介した一節です。「デモクリトスは、『すべては目に見えないほど小さなブロックが組み合わさってできていて、そのブロックの一つひとつは永遠に変わらない』と考え、その小さなブロックを『原子(アトム)』と名づけました。『自然界には無限に多様な原子がある』、『原子はすべて永遠で、変化せず、分けられない』と彼は考えます。レゴについての問いがあったのは、デモクリトスが考えた原子について理解するのにレゴがぴったりだったからです」と。

2018年と少し古いデータになりますが、レゴジャパンが東京六大学出身者を対象とした「レゴと知育の関連性に関する調査」を実施しました。レゴで遊んだことがある人の割合は、東大67.8%・早稲田60.9%・慶応66.7%・立教69.1%・明治67%・法政67.9%。遊んだことがあると回答した東大生に対し、「レゴが良い影響があったと思う能力」を調査したところ、「集中力」57.6%・「空間構成力・イメージ力」51.5%・「アイデアを膨らませる創造力」51.5%・「目的達成力」48.3%、「柔軟な思考」「論理的思考力」「豊かな表現力」「ひらめきを得る想像力」がおよそ2~3割。ちなみに、「東大に入るための必要な要素は?」という問いには、1位が「集中力」74.7%・2位「論理的思考力」50.6%だったとのこと。

 東大レゴ部の創設者で現役大学院生の時に、日本人初で世界13人目のレゴ認定プロビルダーとなった三井淳平氏は、その著書『空間的思考法―世界が認めた、現役東京大学大学院生の頭の中!』の中で、「算数の平面図形と立体図形は一番得意だったが、図形問題を見るとレゴブロックで試行錯誤したことが多く、図形問題を見ても慌てることはなかった。算数は一つ一つ論理的につめていくパズルのように解いていく点でブロックと似ており、一つ一つのステップを踏んでコツコツ問題を解くということを楽しめた」「立体的な形、いわゆる3Dで考える癖がつき、見たものを頭の中でひっくり返してみたり、自由に動かしてみたりしながら全体像を予測する習慣がついた」と述べています。
 

算数・数学思考力検定で図形問題、特に立体図形が弱い子が見受けられます。小学校では立体図形を学ぶのは高学年になってからです。かつて受験指導をしていた頃、小学高学年になってから空間認識力をペーパーの問題で鍛えようとすることには限界があることを痛感していました。その後、「リトル・ダヴィンチ理数教室」で数量・平面図形・立体図形を各ステップで学ぶこと、数量と図形を融合することを一つのテーマにしてカリキュラムを構築してきましたが、毎回立体図形を扱うことはできません。ブロック・サイエンスでは、レゴブロックの組み立てなので、毎回空間認識力を磨くことができます。
 
 先のレゴジャパンの調査では、レゴ経験者のうちでも、特に「説明書等がなく、ゼロから作るシリーズ」で遊んでいた人の割合は、東大93.9%・慶応92.3%・法政92.1%に達しています。ブロック・サイエンスは年長クラスから組立図を使用します。組立図を見てそっくり作る(平面で描かれた図から立体を構成する)ことで新しい知識を学ぶ、遊んで実験する(正しい実験と観察の習慣をつける)ことでその良さや特長を知る、問題解決学習というテーマに沿ったオリジナル作品を作る(立体を構成する)ことで学んだことをアウトプットする(想像力や創造力を発揮する)というカリキュラム構成になっています。

 LEGOはデンマーク語のレゴLeg Godt(よく遊べ)。手の巧緻性や空間認識力、集中力、論理的思考力、想像力、創造力、問題解決力、比例・反比例や関数などの数学的な知識、力学や物理法則、そしてプログラミングによる制御やデータロギング…楽しく遊びながら身につけていきましょう!
 
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

NEST理事長・中西佑二先生が瑞宝小綬章を受章!

~ モンゴル初の日本式高専を開校した立役者  ~

中西佑二先生(左から2番目)

東京都立産業技術高等専門学校(以下、産技高専)の名誉教授で、NPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)の理事長を務めてくださっている中西佑二先生が、令和4年秋の瑞宝小綬章を受章なされました。瑞宝章は長年、地方自治体のために働いて、功績を残した人に与えられる勲章です。

中西先生は長らく産技高専で機械工学を中心に教鞭を執られ、品川区の中小企業支援なども行っていらっしゃいましたが、私共と最も関係があるのは、モンゴル初の日本式高専「モンゴル高専」の開校と発展に大きく寄与なさったことです。その貢献によりモンゴル国大統領令によるナイラムダル(友好)勲章を受章されています。中西先生の命を受け、私中島と池田は高専教授の富永一利先生(NEST理事)と2014年と2015年にモンゴルを訪れ、Truthにあったロボットキットを大量に寄付し、第1期の1年生全員にロボット・プログラミングの授業を行いました。その時の様子は、記事の最後に記載したトゥルースの視線をご覧ください。時は早いもので、2020年に彼らは高専を卒業し、日本企業に就職して活躍している卒業生の様子が新聞などの特集で報じられています。
 中西先生、受章おめでとうございます。さらなるご活躍を期待しております。
 
https://truth-shisen.blogspot.com/2014/10/
https://truth-shisen.blogspot.com/2014/11/
http://truth-shisen.blogspot.com/2015/06/
http://truth-shisen.blogspot.com/2015/07/

2022年度第3回算数数学思考力検定実施

2/24 (金 ) 練馬校 ・ 2/26( 日 ) 飯田橋校

PISA 型読解力は、①情報の取り出し・②解釈・③熟考・④評価、の4つの項目で構成されると言われます。「物語文・説明文を読んで正しく理解する」だけの能力とは異なるのです。現代の小学生が磨くべき読解力とは、総合的な学力だと言えるでしょう。
 長い文章があると、なるべく読まないで問題を解こうとする――思考力検定対策に取り組むときに、最近子どもたちの姿勢でよく見られる傾向です。思考力検定では読み取った情報を使いこなして問題を解決する力、どんな考え方でどんな道筋で解くか?が問われます。思考力検定の学習を通して、読解力・問題解決力を身につけていきましょう。

【第175回】コロナ禍が子供たちにもたらした影響

~ 不登校・いじめの増加・学力低下 ~

緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置も発出されず、規制のない生活を取り戻しつつあります。しかし、子供の命と健康に配慮し、ロボットコンテストではまだフルスペックでオンサイト開催を行うまでには至っていません。新型コロナ感染症が広がった当初、学校休業やオンラインイン授業、その後の学級・学校閉鎖の結果が今出始めているようです。

 10/28朝日新聞は「2021年度に30日以上登校せず『不登校』とされた小中学生は、前年度から24.9%(4万8813人)増え、過去最多の24万4940人だったことが文部科学省の全国調査で分かった。初めて20万人を超え、増え幅も過去最大となった。小中高校などのいじめの認知件数も過去最多を更新。文科省は、長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレスが影響していると分析している。不登校の小学生は前年度比1万8148人増の8万1498人、中学生は同3万665人増の16万3442人。不登校の小中学生の増加は9年連続で、1991年度の調査開始以降で最多になった。要因別では「無気力、不安」が最も多く、49.7%(前年度比2.8ポイント増)を占めた」と報じています。低年齢ほどコロナ禍の影響が大きいことが分かります。

 学力の面でもその影響は出始めています。7/28に文部科学省は小6生と中3生を対象にした今年度の全国学力調査の結果を公表しました。4年ぶりに行われた理科で、中3の平均正答率が約17ポイント悪化。学習指導要領の改訂で重視された「探究学習」に関する問題の一部で正答率が低く、指導要領の求める内容に十分対応できていない状況であることが明らかになりました。コロナ禍で、観察や実験の授業が減っていることも明らかになり、同時に実施された学校へのアンケートでは前年度、観察・実験を「週1回以上行った」とする中学校は45.8%で、前回から18.8ポイント減ったとのこと。文科省の担当者は、今回の調査は探究学習を踏まえた出題とし、「教科書にない設定で生徒が対応しきれなかった面がある。先生の指導も生徒に主体的に探究させるところまで踏み込めているかといえば道半ばだ」と分析しています。理科教育に詳しい横浜国立大の森本信也・名誉教授は「実験や観察に伴って仮説を立て、結果を分析することが科学的な探究学習そのもの。機会が減れば、探究の力を問う問題の正答率が低くなるのもおかしくない」と話し、「政府は理系人材の育成を進めるが、実験が減ることでその土台が揺らぎかねない」と危惧しています。

 約40年にわたり小中高の授業の研究を行ってきた秋田大学大学院の阿部昇・名誉教授は、国語、算数・数学、理科に共通する大きな課題として、「記述式設問の正答率から見えてくる『説明力』の弱さ」と「自らの考えを持てない『批判的思考力』の弱さ」を指摘しています。

 算数では、求め方を説明させる問題で、「『どのように求めたのかがわかるように』『求め方を式や言葉』を使って説明することができていない。説明をさせても、その説明にはどういう要素が必要なのか、逆にその説明のどこに不十分さがあるかを子どもたちに意識させる授業はまだ少ない。とくに理科の実験を説明する際に、数値がない述べ方では説明になりえていないという指導が、普段の授業で十分にされていない」と説明力不足の原因を指摘。「普段の授業でさまざまな対象・事象について問題点や不十分な点を発見したり指摘したりしながら、その改善の方法を多面的に見つけ出すという学習が弱いことと関連し、これからは批判的な考察・読解の授業を各教科で積極的に取り入れていく必要がある」と述べています。

では、このような課題を克服するには同氏らいいのでしょう?文科省と国立教育政策研究所が今回の調査についてまとめた「全国学力・学習状況調査報告書」には、質問紙の結果と正答率のクロス分析が載っていますが、それを見ると「課題解決型授業」「対話型の授業」を受けている子どものほうが全体として正答率が高いが分かります。阿部教授は、「対話型・探究型授業では質の高い思考力が育っていく。『説明力』『批判的思考力』さらには『多面的な考察力』『メタ認知力』を育てることが可能となるのはそのためである。これからの授業では、こうした課題解決を軸とする対話型・探究型が主流となることは間違いない」とその重要性を説いています。

 Truthの授業はすべて対話型であり、問題解決学習やロボットコンテストは正に課題解決型です。通う生徒たちが皆生き生きとし、長年通った生徒たちの多くはロボコンでも実績を挙げ、進学でも就職でも自らの人生を切り拓いていく力を身につけていると確信しています。今後さらに、教育理論「コンストラクショニズム」に基づいた教育の普及を図り、コロナ禍の呪縛から子供たちが解放される一助にならなければ、という使命感を改めて強く感じます。
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

X’masダヴィンチ・スペシャル「算数ゲーム大会2022」

戦略ゲームで勝負!挑戦者集まれ!!

今年も冬休みサイエンス講座の一環として、頭をよくする算数ゲーム「アルゴ大会」(年少~年長対象、年少さんには難易度高)、「トリンカ大会」(小学低学年・LVJ対象)を12月18日(日)飯田橋校で開催します!上位入賞者にはプレゼントをご用意!
 戦略を考え、思考力育てるゲームです。Truthではリトル・ダヴィンチ(LV)の授業でも取り入れています。LV在籍生でなくても参加できます。いずれも大人でも熱くなるゲーム!お家で練習してから参加されることをおすすめします。

12月18日(日)飯田橋校で開催

★アルゴ大会 幼稚園生対象/ 午前9:40 -11:00(80分)
★トリンカ大会【加減の部】小1生またはジュニアⅠ在籍生対象/午前11:20- 12:50(90分)【四則演算の部】小2-3生またはジュニアⅡ・Ⅲ在籍生対象/午後 2:50- 4:30(100分)
※申込・詳細は別途お知らせご参照
アルゴ大会2021
トリンカ大会2021

ロボカップ2023いよいよ開幕

~ 競技数も増えて熱いシーズンが始まる! ~

ロボカップ2023のシーズンがいよいよ始まります。ロボカップ年度は世界大会を基準としているため、ロボカップ2023ボルドー大会を目指して関東ブロックではこの11月から国内選抜が行われのことになります。

今シーズンの大会は、従来のワールドリーグ(以下WL)の「レスキューMaze」「レスキューLine」「サッカーOpen」「サッカーLightWeight」「OnStage」、日本リーグ(以下NL)の「レスキューLine」「サッカービギナーズ」「OnStage」に加え、「NLレスキューMaze」が新設されました。これは難易度の高いレスキューMazeの裾野を広げる普及の目的で新設されたものです。また、オンラインでも参加できるバーチャル競技では、コロナ禍で誕生した「WLレスキューSmilation」と、従来の「CoSpace Rescue Challenge」に加え、「 CoSpace Autonomous Driving」が新設されました。コロナ禍になりオンラインで参加できる競技もロボカップの1つの柱になりつつあるように感じます。

関東ブロック大会に向けての予選会に当たるノード大会は、11/19(土)・20(日)に東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスで行われます。コロナ感染防止対策のために、東東京ノードと神奈川西東京ノードとの共同開催とし、東京・神奈川ノード大会として開催します。共通した競技を同じ日の同じ時間帯に行うことによって、参加者の滞留時間を減らすのが目的です。そのため、元々全国最大級規模のノード大会がさらに規模を大きくし、かなり厳しい激戦が予想されます。

Truthからは、ベテランのWL参戦チーム、出場経験はあるがその競技が初めてとなるNL参戦チーム、今回が初めてのロボカップとなるNL-OnStageチームに加え、今年の夏期特別授業で使用したロボット教材「KOROBO3」で学んだ生徒たちが、NLサッカービギナーズに挑戦します。皆の活躍を期待すると同時に、皆様の熱い応援お願いいたします。
サッカーNLエイエイオー
出港!HOKORI丸エイエイオー
飯田橋レスキューエイエイオー
飯田橋レスキュー全体

第9回宇宙エレベーターロボット競技会全国大会報告

~ チーム「SKY」不本意ながらも全国3位 ~

宇宙エレSKY競技
去る11/3(木祝)、「第9回宇宙エレベーターロボット競技会全国大会」が、神奈川大学みなとみらいキャンパスにて、3年ぶりにオンサイトで行われました。全国のオープン大会を勝ち抜いたグローバル部門の小学生部門、中高校生部門の17チームが集いました。

オープニングは、競技会のスーパーバイザーである、日本大学理工学部学部長の青木義男教授の後援から始まりました。宇宙エレベーターの日本における第一人者である青木教授は、宇宙エレベーター開発の最新情報や実現への取り組みなどを具体的な資料を交えて紹介し、参加した小・中・高校生の取り組みがそのような最先端の研究とつながっていることをお話しくださいました。

Truthからは小学生部門にチーム「SKY」(スカイ)が出場。SKYは関東Bオープン大会からロボットをバージョンアップさせ、2個だったモーターを4個にしてスピードとパワーをアップし、ピンポン玉を1度に100個運べるほどのカゴをレゴで作りました。前日練習では、すべてのミッションをクリア(ミッションコンプリート)し、50個のピンポン玉を宇宙ステーションに運ぶことができていました。

オンラインカンファレンスを含めて4回目の挑戦です。オープン大会では地上2.5mだった宇宙ステーションの高さは4mに。競技は2回。コロナ感染防止対策から時間短縮で行われ、会場での試走や調整などの時間は取れませんでした。SKYの本番1回目の競技では、何か不具合があったのか、あまりピンポン玉も載せずにアースポートを出発。ミッションコンプリートしたものの、1往復しただけで残り時間が90秒ほどあったが、競技終了を宣言。不具合を修正して臨んだ2回目、直径10㎝のチャレンジボールとピンポン玉を山ほど搭載して出発。宇宙ステーションに到達したものの、カゴがうまく開かず、ほとんどのボールを持ち帰り、再度積みなおして上昇。2度目もあまり開きませんでしたが、ミッションコンプリート。しかし、競技終了時間までにアースポートに帰還できず、得点が1/3になってしまいました。

小学生部門3チーム中3位という結果で、メンバーたちは満足していなかったようですが、ミッションコンプリートしなければ順位外となるところ、ミッションコンプリートして全国3位となったことは、誇りをもってほしいと思います。SKYメンバーは来年は中高生部門に出場となりますが、今回の大会で新しいアイデアを発揮したチームもいますので、先輩たちの技術を学びながら再挑戦してほしいと思います。なお、SKY(スカイ)の二人は、チーム名「SKY」(エスケーワイ)としてロボカップジュニアの日本リーグ・サッカーに挑戦します。気持ちを切り替えて新たな挑戦に果敢に挑むことを期待しています。応援お願いいたします。
宇宙エレSKYプレゼン
宇宙エレSKY表彰
宇宙エレ2023全国大会全体写真

【第174回】強いチームはプレゼンテーションポスターも優秀

~ 強いロボットの秘訣はプレゼンポスターにあり! ~

「ロボカップジュニアの大会は、価値ある技術および教育課程の開発を伴うものであり、大会開催後には参加者と情報を共有することが共通の理解となっている」「情報の共有は教育の主導者であるロボカップジュニアの重要な使命である」とルールに明記され、情報共有の大切さを説き、その一環としてプレゼンテーションポスター(以下、プレゼンポスター)の提出が求められます。

8月に行われたNESTロボコンのプレゼンポスターの審査では、ロボカップジュニア・ジャパンオープン2022で使用された基準を採用しました。Abstract(基本・要点)・Method and Theory(開発手法,理論,戦略)・Data/Result/Discussion(科学的探求)・Photos/Graphics(写真図表等視覚表現)・Layout/Design(論理的,効果的な配置)の5つの観点です。審査員を務めてくれたのはロボカップジュニアOB(多くはTruth講師OB)なので、自分の経験を踏まえて後輩にアドバイスをしてくれました。

まず、何を書くべきか?「まんべんなくロボットについて説明をしましょう。ロボットの構造、使っているセンサー、どのように得点を取るのか、そのためにどんなプログラムを作ったのか、どんなパフォーマンスをするのかを書きましょう」。次に、理由の必要性。「まず、使用しているコントローラやセンサー/モーター等の種類と個数、用途といったロボット構成の『基本情報』の提示が必要です。そのうえで、『工夫』した箇所をその『理由』とあわせて説明することが重要です」「『なぜ』その動きをさせたのか、『なぜ』その構造を採用したのかなど、理由まで深堀りできると読み手に理解してもらえるポスターになります」。加えて、データの提示。「値を決める時に実験をしていると思いますので、記録を付けてどのように決定したかが表やグラフで分ると説得力があります。その結果どの程度改善したかが分ると有効性を裏付けられるので、さらに良いです」「ロボットの開発を進めるうえでデータ分析はとても重要なので、その検討結果や検討に基づく改良の有効性などをポスターに示すことを求めています。そういった内容を1枚のポスターの中に含めることは大変ですが、情報を他の人に伝えるために整理することは、自分たちの今後の活動にも役立ちますし、他の参加者にとってもレベル向上の助けになるので、是非ポスター作成にも力を入れてほしいです」。そして、強いチームはプレゼンポスターも優れている。

 ある審査員(世界大会出場経験者)はこう語りました。「プレゼンポスターは、自分のロボットをアピールできる貴重な場だと思っています。自分のロボットを自分の頭で考えて作り、自分のロボットのことを自分で理解して、相手に説明できるくらい分かっていると、とてもいいポスターになります。自分のロボットが分かっているということは、その強さと弱点が理解できているので、本番の競技も強くなります。プレゼンポスターを作るということは、自分のロボットを強くできるチャンスなのです」と。自分が作ったロボットなのに、そのロボットがどういう場面で故障し、それに対してどう対処したらいいか、分からない参加者も多いので、とても貴重なアドバイスです。

 これはプレゼンポスターについてではありませんが、競技チーフを務めてくれたOB(世界大会優勝経験者)は次のような言葉を後輩に贈ってくれました。「レスキューは極めて難しい競技だと思っています。サッカーのように対戦相手がいないので、誰に勝てばいいのか分からないのです。結局、目の前のフィールドという課題に対して何%のパフォーマンスを自分が追求するか?という問いです。もちろん100%がいいのですが、100%を取るためには、その一歩手前の95%ができているときに、残り5%のできていない部分に対して、いかに臆病になれるか?そこで勝負が決まります」。この言葉には、最後の1%が不完全でも、その1%を潰して完全なものにしていこうとする、開発者としての自らに対する厳しさを感じます。

 これらの言葉は大人になったからこそ言えるものかもしれませんが、彼らが小学生や中学生、高校生と成長するか過程で、何年も取り組んでいたロボカップジュニアの活動から得たものであり、当時紛れもなく彼ら自身が実践していたことなのです。

大切なのは「勝ち負け」ではなく、この活動を通して「いかに多くのことを学んだか」ということである。
― ロボカップジュニアのルールより ―
―トゥルース・アカデミー

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳

第9回宇宙エレベーターロボット競技会

~ Truthから3チームが参戦!目指せ、全国大会! ~



この2年コロナ禍でオンライン開催となっていた宇宙エレベーターロボット競技会ですが、今年はオンサイトでの開催となりました。オープン大会は、9/18関東A・9/25関西・10/2東北・10/16関東Bが行われ、Truthチームは日本大学理工学部船橋キャンパスで開催される関東Bの小学生部門と中高生部門に参加します。
 オープン大会のみ参加のリージョナル部門と全国大会を目指すグローバル部門がありますが、高い目標を目指すTruthチームはすべてグローバルに参加です。今回から直径10㎝の黄色い大きなチャレンジボールが導入されます。小学生部門では、宇宙ステーションの上段と下段の両方にピンポン玉(100個)を1個以上、上段か下段のどちらかにチャレンジボール(3個)を1個以上運搬することが最低条件になります。中高生部門では、これに加え、下段にあるピンポン玉(50個)を1個以上回収して地上のアースポートに運搬しなければなりません。宇宙ステーションはオープン大会では2.5m、全国大会では4mの高さに設置され、テザーと呼ばれる帯を伝ってロボットは上下に移動して球を運びます。
 11/ 3(木祝) 神奈川大学みなとみらいキャンパスで行われる全国大会出場を果たせるよう、現在3チームとも奮闘中。皆様の応援、よろしくお願いいたします。
宇宙エレベーター 2022Truth チーム

ロボットの鉄人2022報告

~ ロボカップジュニア2023に向けて本格始動! ~

9/17(土)~19(月祝)国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区代々木)にてNPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)主催「ロボットの鉄人2022」を開催しました。「ロボットの鉄人」は、ロボカップジュニアにジャパンオープンや世界大会で活躍したOBたち(「鉄人」と呼んでいます)が直接、後輩を指導する2泊3日の合宿として、2009年から始まり、早16年目を迎えました。コロナ禍で一昨年は中止、昨年は通いで行いましたが、今回は宿泊と通いのどちらかを選択する形で行いました。宿泊は施設の方針で全員個室となり、ドアで仕切られた1区画をNESTに割り当てられました。

今年のレスキューは、ワールドリーグと日本リーグのLineだけではなく、初心者を対象にしたビギナーズ、新たにロボカップジュニア・ジャパンで新設された日本リーグMazeのコースも行いました。また、サッカーでは例年通りワールドリーグと日本リーグを行いましたが、後者では従来のレゴマインドストームEV3に加え、夏休みサイエンス講座で使用した「KOROBO3」のロボットの講座も加えました。新設コースはまだ参加者は少ないのですが、ロボカップジュニアの競技も多様化している中、様々なニーズに応える必要性があるとの認識から新設した次第です。

両競技とも、ワールドリーグの難易度が毎年上がっていることもあり、ジャパンオープンや世界大会を目指すにはもうひと頑張りしなければなりませんが、各自の課題がかなり明確になったようです。日本リーグではサッカーのKOROBO3のチームがロボットに新たな機能を追加してレベルアップできたようです。EV3のチームは、さらに丁寧なプログラムを開発する必要がありそうです。レスキュー日本リーグは全体として底上げができ、かなり高いレベルで競い合える状況になったと思います。新競技レスキューMazeは、アルゴリズムの方向性から検討するところから始めたのでまだまだですが、新たな挑戦ですので応援したいと思います。

今回のロボットの鉄人では、社会人となった鉄人OBも駆けつけてくれ、のべ9名の鉄人が指導に当たってくれました。中には、深夜3時過ぎまで付き合ってくれた鉄人もいます。先輩たちの熱い思いを受け留めて、長いロボカップ2023シリーズ通して、自らの目標を達成すべく、日々の努力を積み上げていってくれることを期待しています。
サッカーWL鉄人
レスキューLine鉄人
レスキューMaze鉄人(Twincle)
サッカーNL鉄人